2016年7月4日月曜日

[170] 国税もクレジットカード納税が可能に(2016年度税制改正)【国内税務】

本年の税制改正において、クレジットカード納付制度が2017.1.4より国税にも導入されることになりそうです(なお、地方税ではすでに実施されております)。

◆ 現行の国税の納付方法には、
① 税務署、金融機関の窓口で現金に納付書を添えて納付
② 指定した金融機関の預貯金口座から振替納税
③ ダイレクト納付またはインターネットバンキング等を利用して電子納税
④ 延納・物納(相続税・贈与税)という複数の方法があります

◆新設
上記に加えて、国税の納付手段の多様化を図る観点から、来春よりインターネットを利用したクレジットカード決済による納付が導入されます。一応、納付書で納付できる国税を対象としており、基本的に税目に制限はありません。

◆具体的方法
クレジットカードによる納税は、パソコンや携帯電話、スマホでインターネットに接続し専用サイト上でクレジットカードによる支払いをします。納税者がクレジットカード会社に納付手続きを委託し、クレジットカード会社がそれを受託した日に国税の納付があったものとして、延滞税や利子税等に関する規定も適用されます。

◆メッリト
クレジットカードで税金を納めるメリットとしては、インターネット上でできることから、家や職場にいながら税金が払えることはもちろんですが、現金が引き落とされるタイミングが納期限より遅くなるため、資金繰りの好影響が期待できるとも考えられますね。インターネットを利用することで現金を持ち歩かず自宅で納付!という安心感もあります。さらにはクレジットカードですので分割やリボ払いもできるというところがうれしいところでしょうか。

◆デメリット
インターネット利用による情報の漏えいリスクがあることと、納税者に手数料が発生し負担となることがあげられます。さらに、現行の地方税の取扱いと同じになるといわれていますが、東京都の場合、納税額1万円以下で78円、2万円以下で157円の手数料が発生します。また、分割払いやリボ払いは、別途クレジット会社が定める手数料が発生する場合もありますので、資金繰りには注意が必要です。

※上記の記載内容は、2016.7.1現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
【執筆者: Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト | http://et-inc.jp

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