2015年12月24日木曜日

[118] JPX上場会社数【国内政経】

2013.7.16に東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場が統合され、大証上場銘柄の取引市場が東証に変更となって、2年が経ちました。順調に上場会社が増えているようですね。

来年は不正をしない上場会社数を増やして頂き、市場が活性化することを祈っております。
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】 Webサイト |
www.jp-kmao.com

2015年12月21日月曜日

[117] 美術品の減価償却【国内税務】

平成27年1月1日以後に開始する事業年度以降、美術品についての減価償却の要件が変更されました。

これまでは美術関係の年鑑等に登録されておらず、かつ1点20万円未満のもののみ減価償却資産とされており、実質的に減価償却可能な資産は限定されていました。これが平成27年1月1日以降取得したものについて、歴史的価値又は希少価値を有し代替性のないもの以外で、1点あたり100万円未満であれば減価償却が可能になります。また、100万円以上でも一定の要件を満たせば減価償却が可能となります。さらに、従前より非減価償却資産として計上している美術品等についても改正後の要件に従って判定した結果、減価償却資産に該当する場合には、減価償却することが認められることとなりました。
ただ、従前より取得している資産の判定は今回のみ可能で、今回の申告時に非償却資産として減価償却を行わなかった場合には、その後当該資産について減価償却を行うことはできませんので、ご注意ください。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

2015年12月17日木曜日

[116] 企業価値 VS 株主価値【国内会計】

♪この2つは同じ、違う?       
企業価値と株主価値はよく使われる言葉ですが、その両者はどのように違うのでしょうか。


◆貸借対照表の左のお話
貸借対照表の左側は資産項目が並んでおり、“お金をどのように運用しているか”を表示しています。資産とは、今後収益を生み出す財産をさしており、手持ちの財産をどのように有効に使って収益を上げるかが企業は問われます。

★資産から収益を上げる方法には大きく次の2つの方法
・資産を今の時価で売却してキャッシュに換える方法。
・資産を長期保有し事業に役立てて収益を上げる方法。
一般的には資産を全部売って現金に換えてしまうより、資産を使用して将来にわたって収益を上げた方が有利なはずです。なぜなら、企業は利益を求めて行動しており、そのために資産を保有し上手に利用する事が目的だからです。そこで大切な点は、“資産の使い方が企業価値を決定する”というところです。企業価値とは企業全体の価値、いわば企業全体の値段です。企業価値は多くは、資産を事業に使用することにより生ずる将来収益により決まるとも言えます。
  
★具体的企業価値評価には
・コストアプローチ ⇒ BSの資産合計に近い考え方 (清算価値)
・インカムアプローチ⇒ 将来の業績を予測し現在のキャッシュフローを生み出す価値
・マーケットアプローチ⇒実際の取引株価で評価する (株価倍率法)
があります。ですので、同じ資産を保有していても、その利用の仕方が違えば企業価値の切り口も変わることになります。資産が高収益を上げるように使えば企業価値は増えますし、下手に使えば企業価値は減少することになるので、資産の使い方が企業価値を決めそれをうまく使うことが経営者に求められる能力といえます。
★このように、企業価値は貸借対照表の資産で決まり、貸借対照表の右側の負債と株主資本はまったく関係しないことになります。

◆貸借対照表の右
次に貸借対照表の右側はどんな意味を持っているのでしょうか。貸借対照表の右側は“資金の調達方法”を表示しており、次の2つの区分からできています。
他人資本・・・有利子負債など銀行等の債権者からの資金調達⇒ ⦅負債⦆ 
株主資本・・・株主からの資金調達                  ⇒ ⦅出資⦆
そして資金提供者はそのリスクに応じたリターンを得ることができます。⦅負債⦆と⦅出資⦆ではそのリスクが違いますから、それに応じてリターンも変わってきます。⦅負債⦆は契約により、金利を含めた返済金額と返済時期が確定しています。しかし、この企業が爆発的に儲かっても、契約で決められた以上のものを返済する必要はありません。つまり、リスクとリターンが限定されたローリスク・ローリターンの投資といえます。
一方、⦅出資⦆=株主資本は資金提供に対する返済は確定していませんので、もし会社が爆発的に儲かれば、大きな利益を手にすることもできますが、会社が不振になれば元本がなくなってしまうリスクがあるのです。つまり⦅出資⦆=株主資本に対する資金提供はハイリスク・ハイリターンの投資といえます。

◆企業価値と株主価値のちがい
上記記載より・・・
資産の運用によってもたらされた企業価値は(貸借対照表の左)、資金の源泉である負債か出資(貸借対象表の右)のどちらかに帰属する事ということになります。

*負債に帰属する金額は契約で確定していますから、
企業価値 - 負債 = 出資 株主価値となります。
*  企業価値は資産の使用状況によって常に変動していますから、⇒・・・ 変動分=株主価値の変動として表わされる。

ゆえに、企業価値が増加すれば、その恩恵は株主が享受し、株主価値が増加します。逆に、企業価値が下がれば、株主価値が減少します。このように、企業価値の増減は株主価値に直結することから、株主は企業価値を向上させることを経営者に要求するのです。
以上よりこの2つの言葉は違うものを指していたのですね。     一部記事提供:税務研究会(税研情報センター)


*** あとづけ ***
さて、株にまつわる余談はたくさんあるのですがよく耳にする〝株価〟についてです。〝株価〟とは何でできているかご存知でしょうか。これは他の言葉で〝時価総額〟とか上述した〝企業価値〟に置き換えることができます。または将来に稼ぐ現金、いわゆるキャッシュフローを今の現在価値に割り引いた価格=〝理論価値〟なんですね。だいたいの投資家はこの〝理論株価〟をじっ~とみつめつつ・・実際の株価が理論株価より安ければ買い、高ければ売るということを行なっているようです。これで市場の受給バランスが作られ変動するのです。
そしてうまくいっている投資家達がおっしゃるには、理論株価を計算すると実際の株価推移と殆どずれが生じることがなく、みごとに把握でき、投資先企業の稼ぐ力を正確に把握できるとの事なのです。 すばらしいですね。
次に〝投機〟と〝投資〟の違いはなんでしょうか。
簡単には〝投機〟は確立に依存して賭けるということでギャンブルということです。一定の確率で勝ち、一定の確率で負ける・・・ようにできています。ギャンブルは俗に言うゼロサム理論の中にあります。しかし〝投資〟は企業の将来値上がる価値に対しての投資なので、1万円の株が4万円になれば、その株を所有している全員が3万円の利益を得るチャンスに恵まれるということになり負けという概念はないわけです。ですので〝投資〟はギャンブルであるという考えは違うようですね。例えばA社の評価が高くなれば、株価も高くなり、企業価値も上がり、右肩上がりのA社の株主全員が利益を得ることができます。そしてその実現益は当然GCP(国内総生産)にも計上されるのです。

・・・日本では、株式投資がギャンブルであるとの考えが根強くあるからでしょうか。
日本の相続税の株式の評価はとてもシビアです。亡くなった時点が評価の基準になるので、その後どんどん下がってしまっても10ヶ月後の納税額は高い評価のまま支払うことになります。この事については、最近日本証券業協会が税制改正要望を出しました!!株式にも、土地やマンション、生命保険のような減額評価が適用されると、相続対策としてもう少し株を購入する人も増えるのでしょうね。

★ おまけ:1株当り利益倍増が見込まれる米4社
米アルファベット、セルジーン、チャールズシュワプ、エレクトリックアーツ(EA社)の4社は2020年までに、1株当り利益が倍増すると見られています。優れた成長力を持つ企業株価か総じて来年は20%以上の値上がりが期待できるそうですよ(日経ヴェリタスより)。EA社のゲームは大ヒット‼         
【執筆者:Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】 Webサイト |
http://et-inc.jp 

2015年12月14日月曜日

[115] 許認可とは【規制】

いまさら人に聞けないシリーズです。

許認可とは、ある一定条件を満たした場合に、行政官庁が事業を認めるもので、特に独立開業の際には、許認可が必要な業種かどうかをきちんと確認してから事業を開始することが重要です。申請手続は、主に警察署、保健所、都道府県、市町村、農業委員会、陸運局等の行政官庁が窓口となっています。
許認可には、届出、登録、許可、認可、免許があり、以下のように整理できます。
❏ 届出:所定の窓口に届出書を提出することで、事業を行えるもので、設備が基準を満たしているか否か等の確認が行われる場合もあります。
❏ 登録:行政官庁の帳簿に登録されれば、事業を行えます。
❏ 許可:申請書を提出し、行政官庁の審査を受け、一定の条件を満たしていれば、事業を行えます。
❏ 認可:申請書を提出し、行政官庁が認めれば、事業を行えます。
❏ 免許:一定の資格要件を備えた者にのみ与えられ、免許を取得することで、事業を行えます。
申請に必要な書類、手続方法、手数料、許認可がおりるまでの期間、許認可の有効期限等は、業種や地域によって異なりますので留意してください。今後、不定期で業種ごとに解説を致します。
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】 Webサイト |
www.jp-kmao.com

2015年12月10日木曜日

[114] 2016年度税制改正大綱【国内税務】

昨日、2016年の税制改正大綱案がまとまったようです。法人税は3年連続の引き下げにより、最終的に29.74%まで引き下げ、代わりに企業規模等に応じて負担する外形標準課税を拡大し、儲ける企業に有利な税制になります。

日本の法人税は諸外国と比べて高いと言われているので、海外からの投資を呼び込むにはよいのかもしれませんが、既存の国内企業については減税分をいかに新規の投資や賃金アップにつなげるかが課題になると思います。減税分が企業内部に溜め込まれては意味がありませんので、積極投資につながるような大型の設備投資減税もセットでやってほしいですね。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

2015年12月7日月曜日

[113] サンタさんが滞納?ふるさとの動き【国内政経】

◆サンタさんの町から
フィンランドにあるサンタクロースに会える村「サンタクロース・オフィス」が、経営難から税金を滞納してしまい、2015.8月に破産の危機に陥っていました。サンタクロース・オフィスは、「サンタクロースのふるさと」と言われるラップランド地方・ロバニエミにある観光施設で、365日いつでもサンタさんに会えるとあり、世界中の子どものみならず、大人にも大人気!年間30万人の観光客が訪れていたとのことです。しかしここ数年、最も多かったロシアからの観光客が国内不況の影響で減少し、さらに世界経済の不安から来訪者の数は激減してしまい、経営はみるみる悪化して2015.8.20現在で約20万ユーロ(約2,800万円)の税金を滞納する状況に陥ってしまったということなのです。こうした状況を受けて、地元の税務署が裁判所に破産申立てを行いました。
ふるさと消滅の危機に立たされたサンタクロースはインターネットを使って「今後もここで世界中の人々と会いたい」と助けを求めるビデオメッセージを公開。
結局、地元の観光業を営む企業が新オーナーとして手を挙げ、滞納額を税務署に納めることで破産は回避されることとなりなんとかセーフに‼
子どもの夢を叶えてくれるサンタクロースであっても税金には勝てないとい何とも笑えない話です。世界経済が不安定な中、サンタさんは引き続き来訪者増への「経営努力」を求められることとなりそうですね。


◆日本のふるさと復興事業
―― ニューツーリズムとしての鉄道!――
日本でも、地方経済が厳しい状況に置かれる中、ふるさと納税をはじめ、観光振興にもとづく活性化対策が進んでいますね。最近では、地域特有の経営資源としての特産品や伝統的製法、地場産業の技術蓄積、自然や歴史遺産など文化財の地域資源の活用が求められています。

『中小企業白書(2014年版)』によると、都道府県が地域産業資源として指定した件数の内訳では、
・観光資源の指定件数が49%、
・農林水産物が約30%、
・鉱工業品が21%と、
となっており、観光資源が最も多い割合を占めています。しかし同白書の地域資源活用促進法に基づく事業計画の認定件数の内訳をみると、
・観光資源の割合は7%、
・鉱工業品57%、
・農林水産物36%
と、観光資源の割合が最も低くなっています。こうした中、体験型・交流型の要素を取り入れた着地型観光であるニューツーリズムの例として、“日本の歴史、伝統といった文化的な要素に対する知的欲求を満たすことを目的とする観光形態”である、文化観光、歴史的・文化的価値のある工場、その遺構、機械器具、最先端の技術を備えた工場等を対象とした体験を伴う観光形態である産業観光への関心が高まっています。産業観光で活用される観光資源には様々なものがありますが、そのうちの一つとして鉄道があげられます。地方の鉄道では、人口減少による地元乗降客の減少が進む中で、観光利用による乗降客増加が重要な課題となっています。一方、全国には鉄道ファンが約150~200万人いると言われていることから、旧式の車両や、鉄道の遺構などを観光資源として活用し、全国から観光客を呼び込む取組みが求められているのです。
たとえば、鉄道を活用した観光振興として・・・島根県出雲市に本社を置く一畑電車株式会社は、国内最古級車両の体験運転などといった新しい観光プログラムを展開する事業を推進することで、2012.2月に地域産業資源事業計画の認定を得ています。この事業は、国内最古級車両である「デハニ50形」の現役引退後を活用して、駅構内に150メートルの専用線を敷き、運転課の社員が交代で教官をつとめるという本格的な体験運転プログラムを実施したり、観光資源として「一畑電車」を活用した観光プログラムを開発して地域経済の活性化を図ることを狙ったものです同事業の差別化のポイントの一つに、活用する車両の古さがあります。「デハニ50形」が製造されたのは1928年(昭和3年)であり、こうした古い車両に乗車ができ、かつ体験運転を事業として定期的に開催している例は少ないんですね。

電車の体験運転は全国各地で行われていますが、西日本では同様のプログラムが少なく、出雲大社や2015.7月に国宝に指定された松江城などの沿線の豊富な観光資源と組み合わせたツアーを楽しむことができる点も特徴なのです。こうして、地方では鉄道を活用した体験・交流型観光を推進し、観光振興を起点とした地域活性化への取組みが行われているようですね。(税務研究会 税研情報センター 記事提供)
*** あとづけ ***
ところで、町おこしと言えば・・・、うちの近所にはJAXAがあります。
そう、数年まえに“かえってきたはやぶさ”で有名になった相模原JAXAです。わたしは叔父がJXSAでロケットを作っていたこともあり、小学生の頃からよく遊びにいっていました。相模原はこのはやぶさやロケット・衛星で町おこしをしています!しかし、ここで政府関係機関の都市集中を解消しようとする政府の動きにより、JAXAを地方に移転しようとの話があがっているのです!そしてJAXAを受け入れたいという自治体として秋田・滋賀県が手をあげているとのこと・・・・。 はやぶさで町おこししている相模原としては、署名反対運動がはじまりやきもき状態・・・。地元民わたしとしてもやはりさみしい感じですね~★
しかし、いくら宇宙ファンでも秋田JAXAまでいくかなぁ?

【執筆者: Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト | http://et-inc.jp 

2015年12月3日木曜日

[112] 「会計事務所」世界ランキング【国際政経】

2016年の最新版「世界会計事務所ランキング」がプロフェッショナル・ウェブサイト「Vault.com」が発表しています。評価方法としては、プレステージ(40%)、企業の体質(20%)、仕事と生活のバランス(10%)、報酬(10%)、仕事への満足度(10%)、業績の見通し(5%)、公式の研修(5%)の7項目におけるポイントをランキングしたようです。売上至上主義で業務品質が落ちていると言われており、人手不足で悩む業界ですが、業界に身を置く立場としては是非頑張りたいですね。

第1位 プライスウォーターハウスクーパース LLP(http://www.pwc.com/
第2位 アーンスト・アンド・ヤングLLP(
http://www.ey.com/
第3位 デロイト トウシュ トーマツ(
http://www.deloitte.com/
第4位 KPMG(
http://www.kpmg.com/
第5位 グラントソントン LLP(
http://www.grantthornton.global/
第6位 BDO USA LLP(
http://www.bdointernational.com/
第7位 McGladrey LLP(
http://rsmus.com/
第8位 プラント モラン(
http://www.plantemoran.com/
第9位 モス・アダムスLLP(
http://www.mossadams.com/
第10位 クロウ・ホーワスLLP(
http://www.crowehorwath.com/

詳細は、Vault.comのWebサイトをご覧ください。
http://www.vault.com/company-rankings/accounting/vault-accounting-50/
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】 Webサイト | www.jp-kmao.com