2016年1月28日木曜日

[125] 相続税を自分で申告する場合の注意点【国内税務】

♪ 国税庁は相続税の自主申告で誤りやすい事例を公表しました^^ ♪
さて相続税が改正された影響で、自宅だけでも相続税を払わなくてはならない方が増えてきた!と専門誌等では報道し、様々な節税策も喧伝されていますね。


では、今回改正があった相続税基礎控除の4割削減によりどのくらい負担が増えるのでしょうか。実際のところは、首都圏近郊エリアの自宅+現預金2,000万円前後の遺産ですと、相続税の負担はだいたい200万円前後と試算されます。財産をもらっての負担ですから、決して払えない金額ではありませんが、できるだけ節税したいとの気持ちがわからなくもありません。でも、ちょっと不安をあおる広告が多い気もします。

一方、財産は家+現金だけ、相続人は自分ひとりだけとなれば、申告書の作成も自分でできる可能が十分にあります。それを見越してか、最近国税庁では誤りやすい相続税申告の事例を公表しました。“生涯に1回くらいしか経験できない相続税申告、やってやれないことはないはず⁉”
~そのうちいくつかの事例を紹介します~
◆被相続人(亡くなった方のこと)の兄弟姉妹が相続人の時
相続税法では、相続・遺贈で財産を貰った人が一親等の血族及び配偶者以外であれば、計算した相続税にさらに2割加算することになっていますが、兄弟姉妹は二親等の血族ですから2割加算の対象になります。また、孫が相続した場合も、その孫が代襲相続人(親が死亡しているため飛び相続すること)でない場合には、2割加算の対象になることも事例として掲げています。

◆お墓の購入費用に係る借入金
被相続人が借金して350万円のお墓を購入、相続開始時には220万円のローンが残っており、そのローン220万円を相続財産の債務控除して申告できるか?
➣ お墓は非課税財産であるので、非課税財産に関する債務は相続税の計算上債務として差引くことはできません…。

◆未納の固定資産税・住税
相続開始日に(たとえば3/1)、まだ固定資産税と住民税の納税通知書が送付されてきていなかったので、債務控除しなかった。  
➣ 固定資産税と住民税の納税義務は毎年1月以降既に成立しているので、納税通知書の有無にかかわらず債務控除ができます。

◆団信生命保険と住宅ローン
団体信用生命保険契約に加入しているにもかかわらず住宅ローンを相続財産から債務控除できる?
➣ 住宅ローンは相続人が支払う必要のない債務なので控除できません。

◆養子縁組と法定相続人の数
相続税の計算に当たっては、養子の法定相続人の数は制限されています。
➣ 被相続人に実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までしかカウントできない。
といった各内容がありました。
もし初めて相続税の申告に挑戦してみようと思った場合には、下書きと仮計算をして最寄りの税務署や会計事務所でチェックしてもらうことが必須です!相続税の計算は金額が大きいのであとから不納付加算税がきたらショックですし、税務署からいつか電話があるかもしれないし、ないかもしれないし。。。と、もんもんとした眠れない日々を避けるためです。

 *** あとづけ ***
さて、いつもは税金の徴収側と、節税側の両立場で原稿を書いておりますが、こんどは税金の無駄遣いをチェックする立場があるのをご紹介します。それは憲法上の独立したカッコイイ機関!“会計検査院”なのです。
会計検査院が昨年末に発表した最新報告書では、2014年度に1,000億円を超える税金が各省庁などによって〝ムダ遣い〟された実態を指摘しています。
この年度に発生した税金の無駄遣いや、不適切な経理は570件で、金額にすると1,568億6,701万円だったそうです。そのうち、法律や政令、予算として付けられた目的に違反していた「不当事項」が450件で164億6,537万円、さらに検査院が無駄遣いの改善や制度の見直しを求めた「意見表示」と「改善要求」は49件で721億円!
う~ん、ひどい話だ。。
消費税は所得がない人も同様に払っているし、サラリーマンなどは節税できませんからガラス張りの所得税払っているのに。。。無駄に使うなんて、と言いたいことはいっぱいある!ムダ遣いで最も大きな額を指摘されたのは防衛省の航空自衛隊のレーダー機器に関するものでした。この無駄遣いレーダー機器は総額243億5,267万円だったそうです。
そして・・・“無駄遣い常連さん”は、単独案件の指摘金額では航空自衛隊が最高額ですが、件数ベースで見てみると、厚生労働省が292件で単独で全体の過半数を占めています。同省は過去10年間にわたって毎年もっとも指摘件数が多く、いわば報告書の〝常連〟と言われています。
その指摘項目を見ると、医療費の過大給付が目立ち、計算間違いをはじめ初診料を二重に加算したり、本来と異なる高価な医療行為として誤って給付していたり、さまざまな過誤によって10億円以上の医療費を過大に支出しているそう。
報告書では、社会的に話題となったさまざまなテーマについても取り上げています。新国立競技場をめぐるずさんな管理運営体制が問題となった日本スポーツ振興センター(JSC)では、新国立の建設計画に絡む設計業務などで、書面による正式な契約を交わさないまま業者に多数発注を行っていたことが明らかになっています。
また、STAP細胞論文問題のあった理化学研究所では、同細胞にかかる不正の調査に要した費用は9,170万円、これまでに研究に投じてきた費用が5,324万円だったことを検査院が明らかにしています。

【国】⇒徴収する側、
【国民・法人】⇒納税する側、
【政府関係機関】⇒使用する側、
【会計検査院】⇒監視側 

と、みんながそれぞれの立場で考えることができるといいんですがね~💛国税局からの依頼で、私は小学校で年間で数回税金の授業をしますが、
こんな全体のしくみがあり、国の経済的活動が成り立っていることを、理解してくれる子供たちが育つといいなぁ^^と期待しています。
【執筆者:Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト |
http://et-inc.jp 

2016年1月25日月曜日

[124] イランに対する経済制裁の一部解除【国際政経】

2016.1.22に政府は、イランに対する経済制裁の解除を閣議了解しています。これは、同国の核合意履行が確認されたことを受けたもので、今後は政治・経済関係の強化を図ることを予定しています。解除されたのは、主に①核関連活動への関与の疑いがある個人や団体、金融機関の資産凍結や入国禁止、②日本企業による石油・ガス分野の新規投資の停止及び③日本の金融機関とイランの銀行との新規の為替業務代行契約の停止があります。なお、核関連活動への関与の疑いが濃い一部の個人や団体に対する資産凍結等の制裁は今後も継続されます。

長年に亘り制裁措置及び海外投資の制限を受けてきたイランでは、インフラの近代化が切望されています。なお、イランの人口は約7,700万人、そのうち約4,300万人は30歳以下と言われています。
外国投資家の保護に関し、イランは2002年に外国投資奨励保護法(FIPPA)が制定されており、大規模なインフラ事業、バイバック契約などの金融スキーム、投資家が事業主となるBOT
(建設・運営・譲渡)事業への外国投資家による投資について定めています。FIPPAに基づき承認される外国投資額に制限はなく、同法に従い事業遂行を目的として設立される会社は、100%海外資本でも良いことになっておっており、承認・登録された外国投資は、没収や国有化に対し補償を受ける権利が与えられるなど、手厚く保護されます。また、FIPPAは、交換可能通貨による利益の本国送還のために、数々の外国為替換算法を設けています。
イランには、多くのフリーゾーンが存在し、フリーゾーン内では、税金や関税が免除され、100%海外資本会社の設立、資本および利益の本国送還も認められています。

このように、ほぼ未開拓の巨大なイラン市場は、今後、日本企業のビジネスにとっても、大きなチャンスを秘めた取引市場といえるでしょう。
経済制裁の詳細は、財務省のWebサイトをご覧ください。http://www.mof.go.jp/international_policy/gaitame_kawase/gaitame/economic_sanctions/list.html
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】 Webサイト | www.jp-kmao.com

2016年1月21日木曜日

[123] 産業革新機構とは【国内政経】


最近シャープへの買収提案や東芝の白物家電事業への出資などで名前が出てくる産業革新機構とはどんな組織なのかちょっと調べてみました。産業革新機構は産業再生法に基づき設立された官民出資の投資ファンドで、CEOは日産の元COOの志賀俊之氏です。

投資対象は先端技術や特許を有するベンチャー企業で、今後事業化や国際展開のための投資が必要な会社がメインのようですが、それだけにとどまらず大企業の事業再編も手がけているようです。実際に出資案件を見てみると素材・化学系の会社や電子デバイスの会社で、あまり聞いたことない会社が多いのですが、ジャパンディスプレイやルネサスエレクトロニクスなど聞いた名前もちらほらあります。

ベンチャー企業への投資成果に関してはよくわからないものの、大企業の再編に関しては上記2社ともあまりうまくいっておらず、東芝やシャープの件も同じような感じになってしまうのではないかと危惧されます。確かに電機産業は裾野も広く、日本の技術や雇用を守る意味でも重要ではありますが、白物家電などはすでにほとんどがコモディティ化しており、日本が今さら拘る必要のない分野かと思われます。いずれ韓国も中国もこれらの分野でインドや東南アジアはたまたアフリカなどの企業に追いつかれていくことでしょう。産業革新機構には古い産業を救うよりは新しい産業に投資し、技術や人材が流れるような仕組みを作り出すような役割を担ってほしいですね。

 

詳細は、株式会社産業革新機構のWebページをご覧ください。

http://www.incj.co.jp/

【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

 

2016年1月18日月曜日

[122] 「財産債務調書」の提出は全員必要でしょうか…提出しないとペナルティ?【国内税務】

◆財産債務調書は今年からの新しい制度
昨年2015年度の税制改正に時に創設されたものです。目的は、所得税や相続税の申告の適正性を確保するという名目で、今までの【財産及び債務の明細書】を見直した上で、その対象者を絞り込み、保有する財産に関して調書を提出するように求める制度です。

◆財産債務調書提出を提出する方の基準
①その年の所得金額が2,000万円超、かつ
②次のどれかの人
a.その年の12/31日において合計額3億円以上の財産を有している
b.その年の12/31日において合計額1億円以上の有価証券を有している
C.国外転出をする場合の譲渡所得等の特例資産額の合計が1億円以上である
以上が提出対象の基準となっており、早速2016年1月1日以後の財産債務調書から適用されます!

◆記載する内容
➣ その財産の種類
➣ 数量
➣ 価額並びに債務の金額
➣ その他必要な事項

◆重要です;通達に追加されました更に次の事項が最近追加されました。
➣給与などの人的役務の対価は除くのですが、新株予約権や株式の有利取得の行使可能権利は対象になりますので注意が必要です!
➣対象資産に、2015年7月にスタートした国外転出課税特例の対象資産12/31日における時価の算定がむずかしい場合は、時価相当の「見積価額」でもおおむねOK。
➣さらに「匿名組合契約の出資の持分」や「未決済信用取引等に係る権利」などは見積価額で記載するように追加されました。
➣非上場株式の見積価額も挙げられ、売買実例や譲渡価額がない場合は「その法人の12月31日又はこの最も近い日に終了した事業年度の決算書での法人の純資産価額(帳簿価額によって計算)に自己の持株割合を乗じて計算するなど合理的な価額」 を見積価額としても概ねよいとされています。

◆加算税等の特例とはなんでしょう
“財産債務に係る過少申告加算税又は無申告加算税の特例の取扱い”があります。具体的には次のように“優遇”と“罰則”の両方を指します。
① 有利(過少申告加算税の優遇措置)
調書に記載がある財産に関する所得税及び相続税の申告漏れがあっても、その財産にかかる本税部分の加算税は5%減額されます。

② 罰則(過少申告加算税等の加重措置)
調書の提出が提出期限内にない場合や、提出期限内に提出された調書に記載すべき財産の記載がない場合(重要な事項の記載が不十分と認められる場合を含みます。)に、その財産に関する所得税等の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その財産の申告漏れに係る部分の過少申告加算税等については5%加重されます。
③これは相続税と亡くなられた方の所得税についての適用はありません。

◆国外財産調書との関係
資産価額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、ほかに“国外財産調書”の提出も必要になりますので注意してください。(国外送金等調書法5①)
(平成27年12月2日現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。)

*** あとづけ ***
さて、税務当局はこれら新制度の他に、OECD(経済開発協力機構;Organisation for Economic Co-operation and Development)に加盟したこと等から、国内財産はもとより海外資産やその取引も把握できる情報収集環境を整えています。マイナンバーも先はその一連の流れに組み込まれるのでしょう。国際的取引がひろがりはじめた近年、私達は日本の法制度をふまえながら、各国間の法制度も視野にいれた明確な取引や資産保全がますます重要な時期になったといえます。
【執筆者:Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト |
http://et-inc.jp 

2016年1月14日木曜日

[121] サイバー攻撃対策【規制】

近年におけるサイバー攻撃の高度化、改正個人情報保護法の施行、マイナンバー法施行等といった企業における経営環境は変化し、今やサイバーセキュリティは経営問題となっています。このような経営環境を配慮し、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は2015.12.28に、「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を策定したことを発表しています。

<サイバーセキュリティ経営の3原則>
❏ 経営者は、IT活用を推進する中で、サイバーセキュリティリスクを認識し、リーダーシップによって対策を進めることが必要
❏ 自社は勿論のこと、系列企業やサプライチェーンのビジネスパートナー、ITシステム管理の委託先を含めたセキュリティ対策が必要
❏ 平時及び緊急時のいずれにおいても、サイバーセキュリティリスクや対策、対応に係る情報の開示など、関係者との適切なコミュニケーションが必要

<サイバーセキュリティ経営の重要10項目>
❏ サイバーセキュリティリスクの認識、組織全体での対応の策定
❏ サイバーセキュリティリスク管理体制の構築
❏ サイバーセキュリティリスクの把握と実現するセキュリティレベルを踏まえた目標と計画の策定
❏ サイバーセキュリティ対策フレームワーク構築(PDCA)と対策の開示
❏ 系列企業や、サプライチェーンのビジネスパートナーを含めたサイバーセキュリティ対策の実施及び状況把握
❏ サイバーセキュリティ対策のための資源(予算、人材等)確保
❏ ITシステム管理の外部委託範囲の特定と当該委託先のサイバーセキュリティ確保
❏ 情報共有活動への参加を通じた攻撃情報の入手とその有効活用のための環境整備
❏ 緊急時の対応体制(緊急連絡先や初動対応マニュアル、CSIRT)の整備、定期的かつ実践的な演習の実施
❏ 被害発覚後の通知先や開示が必要な情報の把握、経営者による説明のための準備

当該ガイドラインは、ITリテラシーが必ずしも高くない経営者に納得してもらうため、専門用語が排除されており、非常に理解しやすい内容となっています。また、遵守すればサイバー保険の割引が受けられるだけでなく、裁判での免責につながる可能性が高いと言われており、経営者は対策の実施が急務でしょう。
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】 Webサイト |
www.jp-kmao.com

2016年1月11日月曜日

[120] 混沌とする世界【国際政経】

あけましておめでとうございます。新年早々株価は下落の一途を辿り、年始から5営業日連続での下落は日経平均の算出を始めた1950年以降、初めてだそうです。原因はやはり中国の株価の下落でして、今年も中国の動向に左右される1年となりそうです。

ただ、今年はそれだけでは済みそうにありません。中東ではサウジアラビアとイランが断行し、シーア派とスンニ派の全面対決の様相を呈してきました。東アジアでは北朝鮮の水爆実験が行われ、地域の緊張が高まっています。ヨーロッパでは難民の犯罪が増加し、排斥デモが頻発していますし、その影響で保守派が勢いを増しています。これらの問題にアメリカとロシアも加わって複雑に絡み合い、混沌とした世界になっていくように思えてなりません。
10年後に振り返った時に第三次世界大戦のきっかけとなったのが2016年の出来事だったというような事件が起こるかもしれません。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

2016年1月7日木曜日

[119] 新年あけましておめでとうございます【国内政経】

私たちはようやく昨年秋に1歳を迎えた若い(すぎる?)専門職ブロガー仲間です。今年も読者のみなさまにお役に立つNewsをできる限りシアルタイムにお伝えすることを使命として頑張っていきますので、引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします^^♪

♪eスポーツ時代の到来は、ゲーム業界を変える事ができるのか?       

さて、近年ゲーム業界の新たな動きとして、「eスポーツ」が注目を集めています。これは、テニスやサッカーなどのスポーツのように、ゲームの試合を観戦するイベントです。ゴルフと同様、選手(ゲームプレーヤー)は賞金をかけて戦い、観客がその姿を観戦するという形です。最近では、優勝者は数百万円もの賞金を手にするような大会が開かれるようになりました。なかには、賞金総額が5,000万円と大きな金額が打ち出されたものもあります。そうなると、ゲームの世界からも、ゴルフ・テニス・野球などと同じように、プロのゲーマーが誕生することになります。
現在、ゲーム大会の様子は、ニコニコ動画などの動画配信サイトで生中継されており、家で試合を楽しむのが主流ですが、今後は、スポーツのように競技会場に人々が集まり、ライブで対戦の試合を観る機会が増えると考えられます。すでに、秋葉原には、「eスポーツスクウェア」という専用の施設ができており、大会を開催するプラットフォームも整ってきているようです。そして、試合会場に足を運ぶ人が増えることで、将来的にはゲーム会社はもとより会場施設運営会社やグッズメーカー、飲食業、広告代理店など、幅広い範囲の企業が新たなビジネスチャンスをつかむことが予想されますね。
アメリカでは、すでにeスポーツは盛んになっており、2014年の全米eスポーツは231億5,400万円もの収益があったといいます。2017年には約555億円にまで成長する見込みがあるとも言われています。今後、国内でもeスポーツがさらに普及すれば、新市場が誕生することになります。
近年、ゲーム業界では、スマートフォンを利用したゲームが主流になりつつあり、その影響で、既存のゲームには陰りがみられるようになりました。なかでも、アミューズメント(ゲームセンター)のような、人々が足を運びゲームを楽しむ施設は苦境に立たされています。そのなか、eスポーツはこうした衰退産業からの脱却にも寄与する可能性があります。もともと、ゲーム大会というとアミューズメント(ゲームセンター)で開催され、そこに設置される格闘ゲームが主流でした。大会では「ストリートファイター」など、格闘ゲームを一対一で選手が戦い勝敗を決めます。なかでも上手なプレーヤーの試合には、画面の後ろに観客が立ち並び、観戦する形が小規模ながらできあがっていました。アミューズメントにはeスポーツに適した土壌があるようです。
現在のゲームはスマートフォンが主流になっていますが、スマホや家庭用の機器で遊ぶゲームは人とのかかわりが薄れてしまいます。本来人間の心理としては根底にリアルの世界で他者との関係を持ちたいという欲求がありますが、オンラインゲームや家庭でのゲーム機では、リアルな人との触れ合いは生じません。
今後、こうした対象の人々がゲームを通してリアルに他者と交流ができる場がeスポーツには期待でき、盛んになれば利用施設としてアミューズメント(ゲームセンター)がミニ大会の施設として重宝されるようになってくるでしょう。eスポーツは、衰退産業であるアミューズメント(ゲームセンター)に変革を起こす事ができるでしょうか⁈これは今後の注目点の一つです。(記事提供;税研情報センター)

*** あとづけ ***
★ゲームは男性の特権かも?
女性がゲーマー全体に占める割合は次第に増えはじめ、比較的規模の大きなゲームコミュニティではゲームプレイヤーの45%が女性だと言われています。しかし、「eスポーツ」に占める女性自身がゲーマーになる数はまだまだ少ないようです。eスポーツ大会を運営しているWellPlayedが行った調査によると、eスポーツのベースは90%以上が男性だそうです。2013年に行われた3つの競技会(2つは「League of Legends」大会、1つは「StarCraft II」のトーナメント)の調査結果では、全参加者のうち2,040名が男性、69名が女性でその他が33名だったそうです。(by “The Daily Dot記事”)
一般的なゲーム世界でも女性に対して排他的な傾向はあるようですが、eスポーツのコミュニティではそれ以上に排他的な傾向があると同情報では分析しています。 …ですがeスポーツにおいて更に女性のゲーマーが増えるでしょうか… eゲームが戦いものである限り、女性本人がゲーマーとなることは少ないかなと思っています。良し悪しは関係なく、もともと性差による思考方法が男女間では若干違い、女性はどちらかというと闘争するという本能よりむしろ仲間や家庭を穏便にまとめる平和志向に傾くようです。ですので、お料理やお友達をつくる、占い、恋愛、おしゃれ等のゲームで女性をプレイヤーに取り込むか、もしくはイケメンゲーマーを取り揃えて観戦側として配置できれば女性の取り込みが一層可能になるかもしれませんね。               
【執筆者:Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト |
http://et-inc.jp