個人型DCは、
① 掛け金の全額所得控除、
② 運用益の非課税、
③ 給付金の税制優遇措置――の3つの税制優遇措置が最大のメリット。
一方、積立金の運用は加入者自身の責任で行うこと、原則60歳まで引き出せないこと、口座手数料がかかることなど注意点もあります。従来は自営業者や企業年金のない会社員が対象でしたが、今回の制度改正で主婦や公務員、すでに企業年金に加入済みの会社員も対象に加わります。
このうち、所得がない専業主婦では掛け金に対する所得控除が認められていません。控除の対象はあくまで加入者本人の掛け金のみで、社会保険料のように配偶者など本人以外の負担を含めることができないためです。課税所得が500万円ある対象者が毎月23,000円を拠出した場合、節税効果は所得税と住民税の合計で年82,800円。30年間で考えると、積立額828万円に対して248万4千円もの効果がある計算ですが、こうしたサラリーマンなど向けの説明を専業主婦層がそのまま受け止めないよう注意が必要と言えます。
運用益については非課税ですが、利回りや開始時期によって左右される面もあります。3号被保険者である専業主婦には「保険料を支払わなくても基礎年金が受け取れるのは不公平」との議論があり、配偶者控除の見直しが進む可能性もあるため、慎重な検討が欠かせません。
出典:エヌピー通信
※上記の記載内容は、平成28年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
【執筆者: Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト | http://et-inc.jp
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