三菱自動車の燃費データ不正が世間を騒がせていますが、三菱自動車は過去にも2回リコール隠しが発覚し、近年何とか経営再建にこぎつけただけに今回のニュースは「またか」と思った人も多いのではないでしょうか。
そもそもリコール隠しの時にも会社は相当のダメージを受けましたが、三菱グループが支援し再建を行いました。通常であれば度重なる不正により市場での信頼が失墜すれば資本市場からの退場を促されるのが自然な流れです。ただ、三菱自動車は三菱グループの1社であり、株主に三菱グループの企業が多いこと、グループからのさまざまな支援を受けることにより不自然に生き残ってしまったのです。それゆえ企業体質の改善も行われず、再度同じ過ちを犯してしまったのでしょう。
資本市場も10年前と現在では状況も変わってきています。外国人株主も増え、三菱グループ各社にも三菱自動車を支援する経済的合理性が求められると思います。これまでのように三菱グループだから救済するという訳にはいかないと思うので、今後の動向が注目されます。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】
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