中国は2001年のWTO加盟以来、15年に亘り「非市場経済国」として扱われてきています。WTOのルールによると、「非市場経済国」との貿易について、各国が簡単な手続で反ダンピング税を課すなどして、不当に安い製品の流入を阻止することができるようになっています。EUでは、2015年末時点で発動している反ダンピング税67件のうち、中国製品が52件となっています。
中国を「市場経済国」と認めるかどうかをめぐり、中国と欧米の摩擦が強まっているようです。欧州議会は2016.5.12、中国がEUの市場経済国認定の5基準を満たさない限り、これまでどおり通商関係で「非市場経済国」として扱うとする決議を圧倒的多数で可決しています。一方。中国は2016.12.11にWTO加盟15周年を迎えることになりますが、WTO加盟議定書上は加盟から15年が経過した場合、「非市場経済国」として扱う条項は失効するとの解釈もできると主張しています。
今後の影響や日本の立場にも注目です。
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】 Webサイト | www.jp-kmao.com
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