2015年6月4日木曜日

[60] 税金逃れの節税商品規制へ【国内税務】

企業が行っている節税策について税理士に報告を義務付けることを政府が検討し始めたようです。

節税商品の代表的なものとして航空機リースがあります。主に匿名組合を利用したスキームですが、出資者が匿名組合に出資し、その資金をもとに組合は航空機を購入します。一方、組合は航空会社にリースをし、リース料を受領します。リース料は毎年定額ですが、組合の費用である減価償却費は定率法で行われるため、当初は減価償却の負担が大きく組合には損失が発生します。当該損失は出資者が損失として計上できるため節税効果があるという仕組みです。
税率が一定であればトータルでの課税はほぼかわらないですが、現在のように法人税率の引下げが行われる状況では利益はできるだけ先に繰延べる方がお得ということになります。課税の公平性の確保や税収増が目的なので国にとってはいいことではありますが、悪質なものと合法的なものの区別をしっかりとしてほしいですね。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

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