2016年1月21日木曜日

[123] 産業革新機構とは【国内政経】


最近シャープへの買収提案や東芝の白物家電事業への出資などで名前が出てくる産業革新機構とはどんな組織なのかちょっと調べてみました。産業革新機構は産業再生法に基づき設立された官民出資の投資ファンドで、CEOは日産の元COOの志賀俊之氏です。

投資対象は先端技術や特許を有するベンチャー企業で、今後事業化や国際展開のための投資が必要な会社がメインのようですが、それだけにとどまらず大企業の事業再編も手がけているようです。実際に出資案件を見てみると素材・化学系の会社や電子デバイスの会社で、あまり聞いたことない会社が多いのですが、ジャパンディスプレイやルネサスエレクトロニクスなど聞いた名前もちらほらあります。

ベンチャー企業への投資成果に関してはよくわからないものの、大企業の再編に関しては上記2社ともあまりうまくいっておらず、東芝やシャープの件も同じような感じになってしまうのではないかと危惧されます。確かに電機産業は裾野も広く、日本の技術や雇用を守る意味でも重要ではありますが、白物家電などはすでにほとんどがコモディティ化しており、日本が今さら拘る必要のない分野かと思われます。いずれ韓国も中国もこれらの分野でインドや東南アジアはたまたアフリカなどの企業に追いつかれていくことでしょう。産業革新機構には古い産業を救うよりは新しい産業に投資し、技術や人材が流れるような仕組みを作り出すような役割を担ってほしいですね。

 

詳細は、株式会社産業革新機構のWebページをご覧ください。

http://www.incj.co.jp/

【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

 

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