2015年2月19日木曜日

[30] 投資の評価【国内政経】

2015年3月期の第3四半期の決算発表が終了しました。
上場企業全体で経常利益は7%増加、そのうち製造業が12%増と全体を押し上げました。一方で足を引っ張ったのが石油、商社などの資源関連企業です。特に商社では住友商事の2,400億円を筆頭に丸紅1,200億円、三菱商事650億円、三井物産560億円と資源価格の下落に起因した減損損失計上がありました。
減損損失とは資産の収益性が低下し、その投資額の回収見込みが立たなくなった場合に一定の条件のもとで投資額を回収可能額まで減額するものです。
商社では海外資源の投資に積極的でしたが、最近の資源価格の下落により将来の回収額の減少が見込まれ、回収可能額の合計が投資額に達しないため減損損失を計上することになりました。原油のようにマーケットがあるものの場合、市場価格の下落が投資の評価に直結するため、今後も原油価格の下落が続けば追加の減損損失の計上も考えられ、資源関連企業の決算動向は今後も予断を許さない状況ということですね。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

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