アベノミクスでしばらく経済が好調だったせいか、会社更生法とか民事再生法なんて言葉はあまり新聞等で取り上げられていませんでした。
しかし、ここにきて海運会社国内第5位の第一中央汽船が民事再生法を申請するとのことです。この会社は石炭や鉄鉱石を運ぶ事業が中心らしく、中国の景気減速の影響をもろに受けてしまったようです。ただ、この会社は海運業界が好調のときに高い価格で船舶のリース契約を締結いていたため毎月のリース料が高く、いくら資源を運んでもリース料を上回る運賃を取れないような状況でした。海運業界の運賃の動向を示す指数としてバルチック海運指数というのがあり、2008年には10,000を超えていた指数は今では1,000前後と約10分の1にまで下落していることを考えると業界自体もかなり厳しい状況といえますね。
海運業界などは中国の景気動向に大きく影響を受けると言えそうですが、資源関連も中国の影響は大きく最近は商社の株価もかなり落ち込んでいます。いずれにせよ巡り巡って日本の国内景気にも大きな影響を与えることは確実なので、中国経済の動向には今後も注意が必要ですね。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】
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