2015年9月17日木曜日

[90] 軽減税率のお国事情【国際税務】

2017.4の消費税10%への増税を控え、食料品などの生活必需品への軽減税率の導入が議論になっています。そこで、すでに軽減税率を導入している国の事例をいくつか紹介します。
ます、フランスでは世界三大珍味と呼ばれるキャビア、フォアグラ、トリュフのうち、キャビアのみ標準税率で他は軽減税率が適用されています。これは国内産業保護のためで、国産が多いフォアグラとトリュフは標準税率、輸入品の多いキャビアは軽減税率となるようです。また、チョコレートについてはカカオの含有量が分れ目で、50%未満のカカオ含有量だと生活必需品として軽減税率、50%以上だと贅沢品として標準税率だそうです。
続いてドイツではハンバーガーを店で食べれば外食なので標準税率、テイクアウトだと食料品なので軽減税率となります。
似たような事例で、カナダではドーナツを5個までならその場で食べれそうなので標準税率、6個以上ならテイクアウトが想定されるので軽減税率だそうです。
このように、国の事情により色々な税率の適用があり、日本で導入する場合にも消費者の負担軽減だけでなく産業保護の観点も必要となり、今から議論を始めても2017.4には間に合わないのではないかと思います。事業者の事務負担やシステム投資が必要なケースも出てきますし、増税分は軽減税率ではなく別の方法で還元したほうが効率的だと思ったりしています。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

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