2014年12月18日木曜日

[14] My numberが始まる!事前準備は着々と【国内税務】

◆社会インフラとしてのマイナンバー
 マイナンバー法が成立(H25/5/31公布)したことにより、情報化社会のインフラが整備されることになります。マイナンバーは、個人と法人に付与されますが、個人については「社会保障分野」、「税分野」に利用範囲を限定して導入されます。法人については、広く一般に公表されることになっているので、官民問わず様々な用途で活用される予定となっています。


◆導入スケジュール
 現在のところ、H27/10から個人番号・法人番号の通知、H28/1から順次、社会保障、税、災害対策分野で利用開始することが予定されており、所得税の申告についてはH28年分の申告書から、法人税の申告についてはH28/1以降に開始する事業年度に係る申告書から、法定調書についてはH28/1以降の金銭等の支払等に係るものから、また、申請書等についてはH28/1以降に提出すべきものからマイナンバーの記載が開始されることになります(公的年金の源泉徴収票、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書、配当等の支払調書等、国外財産調書も同じくマイナンバー記載をする様式変更が行われます)。

◆源泉徴収票はA6からA5へ
 H27/7に所得税法や法人税法、相続税法など改正が公布されることにより、法定調書にマイナンバーを記載するようにするための様式改正が行われます。現在の源泉徴収票には情報がギッシリ詰め込まれるので、従来様式の手直しでは対応しきれなかったという事で、現在の「A6判」を倍の「A5判」にした上で、本人及び扶養親族等のマイナンバーの記載をすることになりました。

 ***** ひとりごと *****
 国民すべてに個別の番号を振り、その番号で納税などを一元管理する共通番号制度は、行政の効率化につながりますが、今までもプライバシー侵害の懸念が何度も廃案になってきています。ネット取引では通常、パスワードを定期的に変えることでセキュリティーが保たれますが、それを膨大な個人情報につながるいわばパスワードとも言うべき「共通番号」を生涯一つに固定し、手続きや取引に使い回すというのですから制度として危険?「先行する海外で見直しが始まっているなか、日本で導入を強行するのはアナクロニズムそのものとの意見も。。。個人の所得も病歴の収集分析も簡単にされるかもです。一方1兆円規模のコストがかかると言われる中、ITベンダーには住基ネット以上の巨大な特需をもたらす事でしょう。      
【執筆者: 金田一希世美 税理士・CFP・FP1級技能士】

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