◆株式の税金の計算方式
通常、株式を売った場合の所得(利益)の計算方法は給与・不動産・事業・一時所得等とは分けて、申告分離課税という方式で税額を算出することになっていますが、この場合その株式売却の計算上に損失がでても分離課税となっているため、その損失の金額は他の所得とは合計したり、差引いたりすることがはできません。では…
◆外国株式の場合も同じ計算方法
個人が外国株式(上場、未上場を問わず)を国内で売却する場合でも、海外市場で売却する場合でも、売却したことによる所得を円に換算した金額が国内株式と同様に「株式等に係る譲渡所得等」に分類され、「申告分離課税」の方法により所得税及び住民税の対象になります。
◆未上場の外国株式の損益通算と繰越控除について
外国株式の譲渡で多額の譲渡損が生じた場合、それが未上場株式に係るものである場合には、国内の未上場株式の譲渡損と同様に他の株式の譲渡益とは通算できるのですが、もし通算後も譲渡損が残る場合にはその損失は繰越すことはできないことになっています。
◆国内株式の譲渡損失の繰越控除について
国内の上場株式等の譲渡損失については、無条件ではありませんが他の株式との損益通算後もその損失については繰越すことができます。
◆外国の証券取引所で上場されている株式等について
そこで、外国の証券取引所で上場されている株式等を外国にある金融商品取引業者等に直接依頼して、譲渡した場合の譲渡損について、繰越控除の適用ができるかどうか気になるところです。⇒上場株式等の範囲には、外国金融商品市場において売買されている株式等も含まれていますが、上場株式等の譲渡損の
繰越控除ができる上場株式等は、当該譲渡が日本国内で営業する金融商品取引業者等を通じてなされたものでなければならないとされています。したがって、外国上場株式等の譲渡損が繰越控除の適用対象となるためには、国内で営業する金融商品取引業者等を通じて売買をすることが不可欠となっています。
《;株式等には、国内の証券取引所に上場されている外国株式や、外国の金融商品市場において売買されている株式のほか、外国法人が発行する出資持分、新株予約権付社債、転換社債などが含まれます》
***** ひとりごと *****
株式は分離課税で申告するのですが、ほかの所得と損益通算しない方が有利なのでしょうか。どんな場合はが有利でしょうか。それは上場株式の所得がプラスで、個人のほかにある所得の税率が20%を超える場合などが考えられます。例えば給与所得等の総合所得の税率が33%の方は申告分離課税で所得を計算してもらった方が有利なのです。ほかにもありますがそれはまた次回にしますね^^
【執筆者: 金田一希世美 税理士・CFP・FP1級技能士】
Webサイト/http://et-inc.jp
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