2015.7.1に国税庁が相続税や贈与税の土地等の課税評価の基準となる2015年分の路線価及び評価倍率等を公表しました。それによると、2015.1.1時点の全国約32万9千地点における標準宅地の前年比の変動率の平均は0.4%下落し、7年連続の下落となっています。しかし、近年の下落幅の縮小傾向は続いており5年連続で下げ幅は縮小傾向です。
[全国の結果]
◆都道府県別の路線価でみてみると…、(標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値)
・上昇率5%未満の都道府県は、⇒ 昨年の1都1府・6県 ⇒ 1都2府7県に増えています。
・下落率が5%未満の都道府県は、⇒ 昨年の38道府県から35道府県に減少し、
・下落率が5%以上の都道府県は、⇒ 昨年に引き続きゼロとなりました。
◆都道府県庁所在都市の路線価でみてみると、
・上昇した都市は21都市(昨年18都市)、⇒このうち上昇率5%以上は10都市(同8都市)に。
⇒また上昇率5%未満は11都市(同10都市)に増えています。
・横ばいは14都市(同8都市)、
・下落は12都市(同21都市)に減少しています。
◆結果の背景
オリンピックの開催決定やリニア中央新幹線事業の着工による今後の開発への期待、主要ターミナル前の大型商業施設等のオープン、都市再開発などがあげられているようです。
◆路線価Best5!
都道府県庁所在都市の最高路線価では、
・1番は、東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、⇒1平方メートルあたりの路線価は前年から14.2%上昇の2,696万円で30年連続の全国トップ!
・2番は、大阪・北区角田町の「御堂筋」832万円(増減率+10.1%)、
・3番は、名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」736万円(同+11.5%)、
・4番は、横浜市西区南幸1丁目「横浜駅西口バスターミナル前通り」の713万円、
・5番は、「福岡市中央区天神2丁目 渡辺通り」の500万円 と続いています。
◆公示地価では・・・「山野楽器銀座本店」、
◆基準地価では・・・「明治屋銀座ビル」が、 それぞれ最も高い地点とされています。
◆東日本大震災に伴う原発事故に伴う評価
次の場所の路線価はゼロ評価(昨年同じ)となっています。
①帰還困難区域
②居住制限区域
③避難指示解除準備区域の区域内にある土地等の路線価は
◆路線価図等の冊子
かつて税務署に行けば備え置きしてありまして路線価図は、2008年から経費削減のため作成されておりませんので、自宅や会社のパソコンまたは税務署にあるパソコンから国税庁のホームページにアクセスして、路線価の閲覧や印刷をすることになります。
(注意)
上記の記載内容は、2015.7.6現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
*** あとづけ ***
平成27年分の路線価は、全国平均は前年分を0.4%下回って7年連続の下落となりましたが、下落幅は縮小していて、都市部では上昇傾向にあることが明らかになっています。最高路線価が前年分から上昇したのも18から21箇所に増えて改善傾向にあることが分かります。しかし、路線価は相続税や贈与税の税額算定基準となるものですから、相続増税とあわせて都市部の土地所有者の税負担はちょっと増えそうですね。
ところで路線価が最も高いのは30年連続で「東京都中央区銀座5丁目 銀座中央通り」(鳩居堂前)ですが、はがき1枚あたりの面積で、なんと39万9千円という高額です!
毎年の支払う固定資産税を考えると・・・ “資産家すごいな~” というより、“資産家でなくてよかったぁ~” かもしれない(?)ですね。 皆様はいかが考えられますか。
【執筆者: 金田一希世美 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト | http://et-inc.jp
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