2015年10月19日月曜日

[99] 中国のGDP成長率7%割れ【国際政経】

本日発表された中国のGDPの成長率が6.9%となり、6年ぶりに7%を切ったようです。

政府発表のものであるためどれだけ信憑性があるかは疑問ですが、そもそも中国ではGDPは各地方政府が数字を出し、それを中央政府がまとめて国全体のGDPにするという方法で集計されています。しかし各地方政府はGDPの数字を上げることで共産党から出世の機会などが与えられるため、水増しして実際より高い数字を提出することが多いと言われています。よって、今日発表されたGDPも、実際より水増しされている可能性があり、実際には4%程度という意見もあるほどです。
そうなると心配なのは日本の景気への影響ですが、日本では中国での反日デモ以来、対中輸出は減少傾向であり、他の国に比べると直接受ける影響は相対的に少ないようです。ただ、中国景気の減速は世界的な資源価格の下落をもたらしており、中国に資源を輸出していたカナダ、ブラジルなどはこの影響をもろに受け景気後退に陥っているようです。さらにこの2か国に対する輸出が大きいアメリカでもカナダ、ブラジルの景気後退の影響を受けて輸出が減少しているとのこと。利上げ議論が出るほど景気が過熱していると言われていたアメリカにも暗雲が立ち込めてくるとアメリカが最大の輸出国である日本にとっても大きな影響があるということで、改めて世界経済は密接に繋がっているのだと感じます。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

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