2015年11月16日月曜日

[107] 10月スタートの税制&新設法人の消費税の免税【国内税務】

♪中小企業の経営に関わる制度も多くスタート!ですので新制度の内容をしっかりチェックしておきたいところ♪
前回INFOは来年からの改正税制について記述しましたが、今年10月にはさまざまな新制度や改正法がスタートしています。これは、安保関連法案の審議などで、通常国会の会期が9月までもつれ込んだため、国会で成立した複数の改正法の施行と、前もって予定されていた税制改正などのスタート時期が10月に重なったためです。⇒中小企業の経営に関わる制度も多いので、新制度の内容をしっかりチェックしておきたいところです。


◆国外電子商取引にかかる消費税
2015.10.1からは、国外との電子商取引にかかる消費税の仕組みが新しくなりました。アマゾンなどから購入する電子書籍などに、新たに消費税がかかるようになり、事業者間の取引では、サービスの買い手である国内事業者に納税義務が生じるようになっています。

◆最低賃金更新
同日からは新たな最低賃金が適用されました。前年より18円引き上げられ、全国平均で798円になっています。9月末に施行された改正労働者派遣法とあわせ、非正規労働者やアルバイトを雇っている企業は内容を把握してください。

◆マイナンバーの発送
国民全員に12桁の番号を付与するマイナンバー制度は、2015.10.5時点で住民票のある住所に、いよいよ通知カードが発送されはじめました。また、法人に付番される法人番号の情報を公開する国税庁の専用サイトも同日にスタートしています。

◆電子保存に関する規定ゆるやかに
2015.9.30からは、領収書や契約書類の電子保存に関する規定が変わりました。これまでスキャナー保存が許されていたのは3万円未満の領収書のみでしたが、すべての書類をスキャナー保存で代用することが可能となりました。

◆このほか・・・
2015.10.1から子育て世帯や低所得者への給付金の支給が始まりました。公務員の共済年金が廃止されて厚生年金に一本化されました。

これらさまざまな制度が10月から変わっていることに注意しなければなりません。
さて、次は消費税の新設法人と納税義務についてです。これは新改正のことではありませんが、さいきん新規に法人設立する経営者様が増えていますので、重要と思われるところを、改めて記載します。
◆新設法人は原則として免税事業者
新規設立法人には、消費税の納税義務を判定するための前期、前々期(基準期間)がないため、原則として設立1年目、2年目の事業年度における消費税の納税義務は発生しません。

◆ただし、原則に対する例外があります。
≪例外1 資本金1,000万円以上≫
その事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上である法人については、その基準期間がない事業年度であったとしても、納税義務は免除されません(平成9年の税制改正)。

≪例外2 特定期間課税売上1,000万円超≫
上半期である半年間の課税売上高が1,000万円を超えていた場合、その翌事業年度は納税義務が免除されません。その前年上半期のことを「特定期間」といいます(平成23年6月の税制改正)。

≪例外3 特定新規設立法人≫
設立された法人の50%超を保有する法人・個人を含めた株主グループの中のいずれかが、新設法人の基準期間に対応する期間の課税売上高につき5億円超であったなら、その新設法人の納税義務は免除されません。この50%超の支配関係下にある新設法人のことを「特定新規設立法人」といいます(平成24年8月の税制改正)。

≪例外4 新設合併消滅会社が1,000万円超≫
合併によってすべての会社が消滅し、新しく設立された会社が消滅会社を承継することを新設合併といいます。合併があった日の初年度では、消滅被合併法人のいずれかが、新設法人の基準期間対応課税売上高につき1,000万円超の場合、2年目以降は、合併・各被合併法人の基準期間対応課税売上高の合計額が1,000万円超の場合、では合併新設法人の納税義務は免除されません。

≪例外5 新設分割会社等が1,000万円超≫
会社分割・現物出資・事業譲渡による新設法人(新設分割等承継子法人)のその分割等があった日の初年度では、分割元等法人のいずれかが、新設法人の基準期間対応課税売上高につき1,000万円超の場合、2年目以降は、分割・承継等の全法人の基準期間対応課税売上高の合計額が1,000万円超の場合、では新設分割等設立法人の納税義務は免除されません

(上記の記載内容は、平成27年10月20日現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません)

*** あとづけ ***
さて、消費税+たばこ税のゆくえですが・・・
禁煙する人の多くは男性のようで、毎年確実に禁煙者は減少しているようですが、女性でたばこを吸う人は統計上ではほぼ一定しており禁煙する傾向は少ないようです。これもたばこはもう嗜好品というよりは一種の贅沢品?になっている現われでしょうか。

なぜかといいますと、タバコの税金は実に64.4%もあるのです。たとえば、一箱430円のたばこのうち、国税106円・地方税122.44円・たばこ特別税16.4円・消費税31.85円となっており、その一箱は実行税率64.4%!なんです。たばこが贅沢品といわれるわけですね。
そこで政府も考え、2017年4月からの消費税同時のたばこ増税はさずがにきびしいね、と言うことになったようで11/9の閣議ではたばこ税は見送られました。 
でも、“I loveたばこ族” の方は税金がいくらになっても関係ないかもしれませんね。それは、ガソリンが多少値上がりしても “やっぱり車便利手放せない!族” の私と同じかもです。

【執筆者: 金田一希世美 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト | http://et-inc.jp 

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