[111] 株式の持ち合い【国内政経】
大手企業で持ち合い株式の売却の動きが広がっているようです。大林組は今後5年で約1千億円分を市場で売却するようです。日本では高度成長期ぐらいから上場企業同士でお互いの株式を持ち合うことが常態化しており、安定株主対策や敵対的買収の防止に役立っていました。バブル期の1990年には上場株式の約50%が持ち合い株だと言われていました。しかしバブル崩壊による株価の下落により持ち合い株により損失が生じる企業が続出し、その比率は徐々に低下していき現在では約15%が持合株式だそうです。比率が低下したとはいえ、現在は投資家への説明責任が問われるのが企業経営の常識となっているため、保有の合理性が認められない株を持ち続けることは企業の評価上マイナスであり、このような姿勢は株価にもマイナスに作用します。株式の持ち合いを解消し、売却した資金を配当や成長投資に充てることが投資家の評価に繋がっていくということですね。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】
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