東京商工リサーチによると、「2014年度(2014年4月~2015年3月)に「不適切な会計・経理」により過年度決算に影響が出た、あるいは今後影響する可能性があることを開示した上場企業は42社であり、これは、2013年度(38社)を上回り、調査開始以来、最多を記録した」と2015.4.22に公表しています(http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20150422_01.html)。
実は、私も不正調査を業とする公認会計士として、クライアントからの依頼の状況等から同じような感覚を持っています。
一般的に不正リスクは、景気後退期や不況期に高くなり、景気上昇期や好況期には低くなると言われています。この理論からすると、当該統計資料は寧ろ逆に見えるかもしれません。しかし、不正には「発生」するタイミングと「発覚」するタイミングとではラグがあり、景気上昇期や好況期には「発覚」する件数が増加するのではないでしょうか。全く根拠はなく、不正発覚の要因はこれだけではないでしょうが、これが私の実感です。
なお、グラフは、東京商工リサーチの統計資料に、日経平均を併せて当事務所が作成したもので、日経平均は、期初(XX.4.1)の終値と期末(XX.3.31)の終値を単純平均したものです。震災があった2011年を除き、私の実感に近い感じがするのは気のせいでしょうか。
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】
Webサイト/www.jp-kmao.com
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