脱税を摘発する国税局の査察部が2015.7.6に昨年度に摘発した脱税手口を一部公開しています。今回はこの内容を一部ご紹介したいと思います。
❏ 平成26年度において査察に着手した件数は、194件でした。
❏ 平成26年度以前に着手した査察事案について、平成26年度中に処理した件数は180件、そのうち検察庁に告発した件数は112件であり、告発率は62.2%でした。
❏ 平成26年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額で150億円、そのうち告発分は123億円でした。なお、告発した事案1件当たりの脱税額は1億1,000万円でした。
❏ 平成26年度に告発した査察事案で多かった業種・取引は、「不動産業」、「クラブ・バー」、「建設業」でした。
❏ 脱税の手段・方法としては、売上除外や架空の原価・経費の計上が多くみられたほか、平成23年度に創設された単純無申告ほ脱犯の事例もありました。なお、脱税によって得た不正資金の多くは、現金や預貯金、株式及び不動産として留保されていたほか、高級外車や腕時計の購入、競馬などの遊興費、特殊関係人に対する資金援助や老人ホームの入居権利金などに充てられていた事例も見受けられました。
❏ 脱税によって得た不正資金の隠匿事例としては、自宅階段下の納戸の奥に置かれた段ボール箱に現金を隠していたものなどがありました。
❏ 平成26年度中に一審判決が言渡された件数は98件であり、うち96件について有罪判決が出され、実刑判決が11人に出されました。
詳細は、国税庁のWebサイトをご覧ください。https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/sasatsu_h26/index.htm
【執筆者:公認会計士・公認不正検査士 松澤公貴】
Webサイト | www.jp-kmao.com
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