2015年7月16日木曜日

[72] 新日本監査法人に対して立入調査【国内不祥事】

東芝の粉飾決算問題に関連して新日本監査法人に対して日本公認会計士協会の調査に続き、金融庁の公認会計士・監査審査会の立入検査も行われるようです。
一般的に会計士協会による調査は身内組織みたいなものなので審査会の検査に比べると緩いものになっていると思われます。これに対して審査会の検査は(実際に検査をする人は監査法人から出向している人も多いですが)かなり厳しめで処分に結びつくものが多いと思われます。
今回の件で、新日本監査法人では金融庁に対して「監査は適切な手続で行ったが、東芝から実態と異なる説明を受けた」と説明しているようですが、説明を受けた内容が実態と異なっているかどうかを監査証拠を入手して判断するのが会計士の仕事であって、この説明の内容は意味不明なものと言わざるを得ません。
今回は東芝という日本を代表する大企業で起こった粉飾であり社会的注目度も大きく、社会的影響も大きいと思います。新日本監査法人オリンパスの件でも業務改善命令が出されていることを考えるとより厳しい処分が下る可能性もありますね。そしてこのような事件を契機に追加的な監査手続が誕生するという繰り返しがここ10年くらいの業界の動きだと思います。
【執筆者:公認会計士・税理士 青木重典】

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