2016年2月29日月曜日

[134] 法人マイナンバーの使い道を考えてみる【国内税務】

♬昨年より導入されたマイナンバー制度ーですが、実は2つの種類がありますね^^
① 個人番号・・・国民一人一人に付与されるものと、
② 法人番号・・・会社法等によって登記された法人、団体、国の機関等に指定される。
⇒1法人に対して1番号で、支店、営業所等や個人事業者にはない⇒法人番号は13桁番号
の2種類です。

◆2つの驚く違いは、
①の個人番号は㊙にされ取扱い厳重で昨年より大騒ぎなのですが、驚くことに②の法人番号は、国税庁のHPで公表される上に、誰でも自由に利用する事ができるようになっているのです。
◆法人のマイナンバーは何に利用するのでしょうか。
じつは法人番号自体には利用目的の制約はないのです。ただし行政分野では平成28年から税分野の手続において利用される事になっており、法人税の申告の場合は、平成28年1月以降に開始する事業年度の申告から記載する事になっています。行政はなんとなく作ったのでしょうか???
◆法人番号の通知と公表される情報、
①国税庁のHPで公表されます。公表内容は、
*商号又は名称、
*本店又は主たる事務所の所在地、
*法人番号の3つの基本項目!
②商号や所在地の登記情報に変更があった場合には公表情報が更新され、変更履歴も併せて公表されます。
③自社の法人番号だけでなく法人番号情報サイ トで他社の法人番号や名称、所在地情報を検索し、情報内容の入手(ダウンロード)ができるようになります。法人番号は原則自由利用ができるので、利用方法として例えば「法人番号指定年月日」で絞り込みを行って新設法人等を抽出することも従来より効率的になり、新規営業先等に利用する等が考えられています。
⇒わぉ、と驚きますね。自社の名刺が国税庁のHPに掲載されるという感じです(^^♪ 宣伝いりませんね~。(笑)
◆その単純な影響は、
➣行政機関同士で情報連携が図られ行政手続における届出・申請のワンストップ化が進めば、手続も簡素化され、企業側の事務にかかる コスト軽減になるかもしれません。
➣一方で各機関が切り離されていた時には分かりにくかった会社情報が行政機関間で連携されると、会社にとって思わぬ影響が生じることがあるかもしれない点は否めません。
◆公表されている国税庁のホームページ
上記の内容は次の国税庁の“法人番号公表サイト”に掲載されています(
http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
*** あとがき ***
最近では法人マイナンバーのデメリットを言ってもしかたない。。。これをうまく利用してビジネスチャンスを広げようという動きが活発になっています。法人マイナンバーが個人のマイナンバーと大きく異なるのは、上述したように一般に公表されており、利用範囲も個人マイナンバーのように行政3分野に限られることなく、その範囲の制限もないということなので、“営業などで利用できるぞ!”というわけなのです。

1. 法人番号、指定対象は300万社
法人番号は日本の税の徴収を担う国税庁が指定し、「法人番号公表サイト」上で公開されます。
①一般法人:いちおう対象となる企業は主に登記をしている法人
② 行政機関:加えて、国の機関や地方自治体もその対象になり、国税庁、東京都や大阪府、横浜市といった行政機関にも法人番号がつけられるのです。
③ その他:登記していない法人の中でも法人税などの申告・納税義務のある企業は含まれます(自治体や○○連合組合、その他人格のない社団等の一部でしょう。。。)。
➣日本には①~③あわせて約400万件ありますが、このうちHP上で公開される法人は、
・・・法人登記をしている企業の半分、約200万社
・・・うち株式上場している大企業は約3500社(全体の0.2%)
・・・残りの半数は個人事業主等の登記をしていない200万社や、
行政機関など・・・のうち約100万社が対象。
⇒合計でその法人番号の指定対象社は約300万社となります!
2. 法人番号をマーケティングなどに活用し、新たなビジネスチャンスを
国税庁ホームページにある「法人番号公表サイト」を利用すれば新規法人の検索ができ、新たな顧客拡大につながるマーケティング、といったビジネスチャンスに活用できると言われています。⇒国が法人番号導入による経済効果や具体的利用内容を予測した数字があります。短期・中期・長期に分け、予測しているのです。
●【短期】
*経済効果:年間約70億円
*利用内容
・取引情報の収集効率化
・グループ内調達情報の名寄せの効率化
・対象企業の確認業務の効率化
・市場調査の基礎データ
・キャンペーン管理の厳格化

●【中期】
*経済効果:年間約1兆132億円
*利用内容
・行政手続きの添付書類の削減
・企業間取引の添付書類削減
・取引先の登録
・信用情報の取込みの効率化
・口座照会の対応業務の効率化

●【長期】
*経済効果:中期の数倍=年間数兆円
*利用内容
・BCP(リスクマネジメント)やサプライチェーン(企業間連携)の再編成検討
・企業買収など事業展開戦略への活用
・マネーロンダリング(違法資金)対策
・従業員情報の官民連携による効率化
・統計情報分析の効率化

★なるほど~⁉(ひとりごと;顧問先のつながり具合も一目瞭然、架空会社かもわかり税務調査の手助けですね💦)
まあ、国が想定したように、経済効果が年間約1兆132億円~数兆円になればすごいことですね。そして、こうしたビジネスへの利用を支えるものとして「法人ポータル」(仮称)の必要性を挙げているのです。このポータルサイトは日本の全法人情報が1か所でわかるほか、行政が持っている企業のオープン情報などを見ることができる、といったこ とが期待されています。



3.法人番号への意識はまだ低い、だからこそ一歩先行くチャンス!
しかしこの法人番号に対する企業・法人の意識にはまだ低いものがあります。2015年に調査会社の東京商工リサーチは全国の企業を対象に「マイナンバー法のスタートに関するアンケート」を実施ましたが、この中で「法人番号」に対しては「利用方法がわからない」と回答したものが全体の50%だったようです。「知らない」と回答した企業も含めると全体の70%にもなり、法人番号に対する企業の認識の低さを示しています。ビジネスチャンスと捉えている企業は全体の20%程度!

―アンケートの具体的中身の回答―
*法人番号利用の具体的メリットについては多い順に
• 「取引先管理の利便性向上・効率化」
• 「取引先信用情報入手の効率化」
• 「企業マスタの登録・更新の効率化」

*ビジネスチャンスと捉えている企業の回答では
• 「新規顧客向け新商品・サービスの提供」
• 「従来顧客向け新商品・サービスの提供」
• 「新規顧客向け従来商品・サービスの提供」
• 「従来顧客向け従来商品・サービスの提供拡大」
• 「新規市場参入」

が挙げられています。
企業は法人番号の活用方法について、まだ手探り状態であり、他の企業がまだということであれば、いち早く 活用方法を見つけた企業が有利になることを意味しています。法人番号をどう活用するかどうかは企業の創意工夫に大きくかかっているとも言えますね。
【執筆者:Kyosann 税理士・CFP・FP1級技能士】Webサイト |
http://et-inc.jp 


0 件のコメント:

コメントを投稿